世の終わりのための四重奏曲 解説3

メシアン自身が語っている初演時のさまざまなエピソード(楽器の不具合や、聴衆の人数、全ての曲が収容所の中で書かれた訳ではないetc..)はやや誇張されているが、娯楽が少なかった収容所において凄ましい集中力で聴かれたことは事実である。 
 メシアンの収容所での生活振りはそこまで酷くなかったにせよ収容所での暮らしはやはり経験した者にしか分からない。 
極限の精神状態に追い込まれても理不尽な死や苦難の中でも人間は生きて行ける。 
どう生きるかだ。 
「わたしたちは、おそらくこれまでのどの時代の人間も知らなかった”人間”を知った。 ではこの人間とはなにものか、人間とは何かを常に決定する存在だ。 人間とは、ガス室を発明した存在だ。 しかし同時に、ガス室に入っても毅然として祈りの言葉を口にする存在でもあるのだ。」  

ヴィクトール.E.フランクル 『夜と霧』 より

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